見本帳のタイトルです。日本の伝統色への思いが込められています。

現在1５色あります。毎年、趣のある色を少しずつ増やす予定です。

赤みがかったごく淡い黄色。鎌倉時代からの色で、色名の「鳥の子」とは鶏 （にわとり）の雛 （ひな）ではなく玉子を指し、その殻の色に由来しました。なお、玉子色という名の伝統色もありますが、こちらは殻の色ではなく黄身に由来する明るい黄色のことです。

黒みがかった赤褐色。別名、栗皮茶と呼ばれ、その名のとおり栗の皮の色に似ていることからこの色名がつきました。なお栗色と比較するとこちらの方が少し濃い色合いになります。おのずと、秋を連想させる、趣のある色です。 ​ ​ ​

亜麻を紡 （つむ）いだ糸の色のような黄色がかった薄茶色。日本古来のものではなく、明治以降に使われるようになった比較的新しい色名。フランスの作曲家“ドビュッシー”の前奏曲『亜麻色の髪の乙女』が有名であるため、一般的に髪の色として知られています。心ときめく健やかな印象の色です。

臙脂で染めた濃厚な強い赤。古くから画の材料や工芸の染料として使われ、正倉院書物にも残されています。又、染めの色名として使うようになったのはごく最近です。胸に迫る色でありながら、なおかつ、全体を落ち着かせる雰囲気を持ち合わせる、魅力的な色です。